前回に関連して非常停止について書きます。
停止については前の記事を読んでね。
1:非常停止装置
機械には非常事態を回避するために人が自分自身の判断で危険源を緊急停止させることが要求されます。そのため、非常停止装置は、必要な時にすぐに認知出来る配色と配置が必要であり、操作すると必ず機械を非常停止させる構造・構成が必要です。概要要求は下記の4つです。
①押釦の位置が明確であり、瞬時に人が押せる位置にある。
②非常停止装置の操作後は、新しい危険源が生じることなく速やかに危険源が停止すること。
③非常停止信号は出力されるとリセットされるまで持続すること。
④非常停止信号のリセット操作は、非常停止信号が出力が出た場所で人がリセット操作すること。
2:非常停止の種類
①手のひらで容易に操作できる押釦式
②ワイヤー、ロープ、バー
③ハンドル式
④上記が適用できない場合のみ、カバー無しの足踏みペダルスイッチ
一番多く採用されているものは①の押釦式で次は②のロープ式です。
押釦式は目立つ「赤色」で背景色は「黄色」であり、手のひらで押しやすい形であることが決められています。
押釦式非常停止装置の例
3:非常停止装置の構造
非常停止装置の接点は直接開路動作のNC接点であることが求められている。
理由は接点部の溶着が発生した際に、直接開路動作のNC接点であれば、強制的に溶着した接点を引きはがして電気に流れを止めて機械に非常停止できるためである。
4:停止カテゴリ
機械には下記3種類の停止状態があります。
①停止カテゴリ0
危険源となる可動部分の動力をを即時に遮断する停止。
即時の動力遮断のため、可動部が停止するまでの間は非制御状態。
②停止カテゴリ1
停止するために動力を使いながら制御して停止する。
停止が完了した後は動力を遮断する、制御された停止です。
③停止カテゴリ2
停止完了後もアクチュエータに動力を供給した状態を維持する制御停止。
非常停止に使用できるのはカテゴリ0もしくは1の2種類です。
理由としてはカテゴリ0と1は動力を完全に遮断するので停止後の予期しない起動を防止できますが、カテゴリ2は動力を遮断しないため、予期しない起動の可能性が残るからです。
11/12と13に東京で実施される講習会に参加してきます。
ここに書ける有意義なことを学べると良いのですが。