平成のおっさん@エンジニア

平成生まれのおっさんの成長記です。岡山で機械設計やってます。

機械・プラント製図技能士合格への道-14

機械加工の塑性加工について説明します。

 

①塑性加工

材料に外力を加えると変形するが、外力を除いても変形が戻らない性質を塑性と言います。この塑性変形を利用した加工方法を塑性加工と定義します。

 

②プレス加工

金属の薄板を切断、成形、接合することで所定の形状を得る加工方法のことです。加工速度が速くて量産向きで、均一な精度の良い製品を製作することができます。

 

③せん断加工

せん断加工されたせん断面は切削加工とは異なり切り口の形状は、だれ面、せん断面、破断面、かえり面などの変形面を伴い、これらの変形面は材料の延性、強度、工具刃先、クリアランスなどの加工条件で異なります。プレス加工では特にクリアランスが重要で、せん断面の状態、工具寿命に大きく影響を与えます。

リアランスが過小では、二次せん断面が発生して、だれが小さくなります。

リアランスが過大では、だれ面やバリが大きくなります。

適切なクリアランスでは、せん断面が板厚の1/2~1/3の割合になります。

板金の打ち抜き加工においては、ポンチとダイスのすきまは一般に板厚が厚くなるほど大きくします。

 

④曲げ加工

曲げ変形を利用した加工法ですが、スプリングバックや残留応力の問題などがあるため、材料の方向性を考慮する必要があります。

 

⑤スピニング加工

ひら絞り加工とも呼ばれ、回転する成形型に板状や管状の素材を加工用へらで成形型の輪郭に押し当てて成型する塑性加工法です。

 

⑥転造加工

材料を加工させながら金型に押し付けることで形を成形する加工法です。加工時間が短く、材料の無駄が生じないなど生産性は高い特徴がある。ねじやスプラインなどが加工例として挙げられる。

 

 

試験では③のせん断加工がよく出題されます。

リアランスによる出来上がりの違いはしっかり把握しておきましょう。

 

 

機械・プラント製図技能士合格への道-13

工業材料より硬さ試験法について説明します。

 

①ショア硬さ試験

ダイヤモンドをつけたおもりを、一定の高さから試験片落下させて、その跳ね返りの高さを硬さで測定する方法です。硬さを表す単位にHSを用います。

 

ブリネル硬さ試験

試験片の表面に超硬合金球を一定荷重で押しつけし、そのくぼみの直径から硬さを測定する方法です。硬さを表す単位にHB、HBS、HBWを用います。

 

ロックウェル硬さ

測定子としてダイヤモンド円錐、鋼球、超硬合金球を用いて、基準荷重を加えて、次に試験荷重を加え、再び基準荷重に戻したときの前後二度の基準荷重におけるくぼみの深さの差を測定して硬さを測定する方法です。硬さを表す単位にHRを用います。

 

ビッカース硬さ

試験片に四角錐のダイヤモンドを押し付けし、そのくぼみの対角線の長さから硬さを測定する方法です。硬さを表す単位にHVを用います。

 

試験ではよく出ますのでそれぞれの特徴を把握しておく必要があると思います。

材料や焼入れなどに合わせて測定方法を選択するのが一般的ですので、実践的に使用するにはもう少し深く勉強が必要と思います。

 

小話ですが、おもりの跳ね返り高さで硬さをみるショア硬さ試験器は簡単ですぐできるのですが、消しゴムなど弾性係数の高いものは跳ね返りが高いので、硬度が硬くでてしまいます。