平成のおっさん@エンジニア

平成生まれのおっさんの成長記です。岡山で機械設計やってます。

機械・プラント製図技能士合格への道-16

測定器と測定法について説明します。

 

①測定器

厚みや長さの測定器には、実寸法を直接読み取る直接測定とある基準寸法からの変位量を読み取る比較測定法に分けることができます。限界ゲージは比較測定であり、製品が許容寸法内にあるかどうかを測定するものであるため、寸法そのものを知ることは出来ないが、合格・不合格の判定に適しています。

 

②直接測定器

2-1:ノギス

1/20mmまでの精度で板の厚みや長さ、外径や内径を測定することがっできる測定器

2-2:マイクロメータ

精密なねじ機構を有しており、ノギスよりも高い精度の測定ができ、厚さや長さの測定に用いる測定器

2-3:ハイトゲージ

定盤を用い、工作物の高さを測定したり、工作物に精密にけがき線を引くのに使用する。

 

③比較測定器

3-1:ダイヤルゲージ

ラックとピニオンを用いて測定子の微妙な動きを拡大して読み取る測定器で標準型とてこ式がある。ダイヤルゲージは通常は単独で使用せず、変位量を読み取る比較測定器です。最小目盛は0.01mmと0.001mmがある。

3-2:ゲージ

設計通りに部品寸法が仕上がっているかを誰でも簡単に早く、正確に検査確認するのに用いるのがゲージです。使用目的によって標準ゲージと限界ゲージがあります。限界ゲージは部品の寸法が許容される寸法公差内にあるかどうかを検査するもので、最大許容寸法のゲージと最小許容寸法のゲージからなります。栓ゲージ、リングゲージ、挟みゲージなどあります。

 

④基準ゲージ

マスターゲージとも呼ばれ、基準の寸法を与える最も精度の高いゲージで比較測定器の寸法設定などの寸法の基準として使われます。ブロックゲージ、ねじゲージ、テーパーゲージなどがあります。特にブロックゲージは広く用いられており、試験にもよく出題されます。材質は鋼やセラミックなどがあり、精度により4等級が規定されています。

K級(超精密測定用):標準ブロックゲージの確認などに使用される。

0級(精密測定用) :検査用、工作用のブロックゲージの点検、測定器の精度検査に使用される。

1級(一般測定用) :ゲージの精度点検、機械部品などの点検用に使用される。

2級(工作用)   :測定器類の精度調整、工具、刃具の取付け用に使用される。

 

ゲージも良く出題されますので要点を覚えておく必要があります。

実務上はゲージは校正がとても面倒で、面倒で、面倒で。。。

ただの愚痴になってしまうのでここには書きませんが意外と奥が深いのです。

 

 

機械・プラント製図技能士合格への道-15

機械加工の溶接について説明します。

 

①溶接

二つ以上の金属を溶融または半溶融状態にして一体化する接合技術です。

溶融溶接にはガス溶接、アーク溶接、電子ビーム溶接などがあり、接合部を局部的に溶融凝固させるので、一般的に歪がおおきくなる。対策としては拘束の強化、逆ひずみや縮み代の設定および加工法の改良がある。精度が要求される製品に対しては、エネルギー集中度の高い熱源を有する溶接法を用いる。

 

②アーク溶接

電極によりアークを作り、その熱によって溶接部を溶かし、溶加材を加えて接合する補法です。電極には融点が高く、アーク熱でも消耗しにくい電極を用いる非消耗電極式と溶加材を電極とする消耗電極式がある。

 

③TIG溶接

電極棒にタングステン電極を用い、その周囲から不活性ガスであるアルゴンヘリウムを噴出して溶加材をアークで溶かして溶接部を空気から遮断して酸化や窒化を防ぎます。タングステンを電極に使用することから、Tungsten Arc Inert GasよりTIG溶接と呼ばれる。

 

④MIG溶接

アルゴンなどの不活性ガスを用いたイナートガスアーク溶接の一種で、ワイヤ状の消耗電極を用います。Metal Arc Inert GasよりMIG溶接と呼ばれる。

 

⑤抵抗溶接

金属の接合部に通電し、電気抵抗によりジュール熱が発生する。同時に大きな圧力を加えることで接合する方法です。特にスポット溶接が有名で、点溶接とも呼ばれる重ね合わせ溶接の一種です。

 

溶接は電極とガスの組合せを問われることが多いので、混同せずに特徴をしっかりと把握しておくことが大事です。