平成のおっさん@エンジニア

平成生まれのおっさんの成長記です。岡山で機械設計やってます。

セーフティアセッサ合格の道-7

前回までは安全防護の基本であるガードに関する内容でしたが、

今回は付加保護方策に当たる停止について記載します。

 

目次

 

 

1:停止

 セーフティアセッサ合格の道-4でも紹介させて頂きましたが、停止は3ステップメソッドでは2番目に該当します。1番目の本質安全設計では不十分な部分を補うための方策です。停止は機械に任せる安全方策とも言えますが、人が正しく使用できるような機械設計や製作が重要になります。

代表される付加保護方策は非常停止なのですが、今回は停止による安全を実施するための主要な検知保護装置の種類と内容について紹介します。

h-engineer.hatenablog.com

 2:ライトカーテン

能動的光電保護装置(AOPD)(Active opto-electronic protective devices)に分類され、最も多く使用されている装置と思います。

ライトカーテンは投光ユニットと受光ユニットの組み合わせからなり、投光ユニットから放出される複数の平行光線が受光ユニットで全て正確に受光されるように配置して使います。主に扉のない出入口などに設置され、人やその一部(腕や頭など)が光軸を遮光することで人の侵入を検知します。

ライトカーテン間に遮る物体(人体)がない場合、全ての光線が受光ユニットで受光されます、それを安全な状態(人がいない)と認識し、受光ユニットの出力はONとなって機械の運転を許可します。

一方、人体が光線の一部もしくは全てを遮光すると、危険な状態(人が侵入)と認識し、受光ユニットの出力はOFFとなって機械を停止させます。

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3:レーザスキャナ

拡散反射型能動的光電保護装置(AOPDDR)(Active Optoelectronic Protective Device responsive to Diffuse Reflection)に分類されます。

レーザスキャナは本体から周辺にレーザ光を放出し、その反射光で人の存在を検出します。レーザスキャナにパソコンを接続して人のいない危険区域の形状を記憶させ、使用中にその形状に変化がなければ安全な状態(人がいない)と認識し機械に運転を許可します。

一方、設計した危険区域に人が入ると、危険区域の形状変化を検出し出力をOFFして機械を停止させます。ライトカーテンと比較して、危険区域をレイアウトや用途に合わせて自由に設計できるため需要が伸びています。

セーフティレーザスキャナ - SZ シリーズ | キーエンスに商品の詳しいことが載っています。

 

4:マットスイッチ

 マットスイッチは人の検知存在が必要な危険区域の床面に敷いて使用します。人が危険区域に侵入してマットスイッチを踏むことによって反応し機械を停止させます。

私個人はあまりお見かけしたことがありません。

マットスイッチ|アズビルトレーディング株式会社|機械安全関連製品に商品の詳しいことが載っています。

 

 5:検知保護装置使用について

使用に当たっていくつか遵守すべきポイントがあります。

①人またはその一部を検知すると直ちに信号を出力する。

②検出された人またはその一部が検出区域から出たとき、それ自体で機械が再起動しないこと。

③危険な機械の再起動はオペレータが、危険区域に人がいないことを視認でき、危険区域の外に設けた起動ボタンを意図をもって操作すること

④検出機能が中断している間は機械を運転できないこと

 

難しい文章になってしましましたが、安全を考えると当たり前な内容と思います。