工業材料よりステンレス鋼、銅合金より抜粋し説明します。
①ステンレス鋼
ステンレス鋼は鉄にクロム(11%以上)やニッケルなどを添加した合金です。
クロムは空気中の酸素と結合して表面に酸化膜を作るため、錆びるのを防ぐ働きをする。
特徴として、粘りがある、熱伝導性が悪い、熱膨張係数が大きい、高温強度が高い、錆びない(耐食性)などがある。
1-1:オーステナイト系ステンレス鋼
クロムとニッケルの含有量が多く、耐食性や耐熱性、靭性に富み非磁性体である。
SUS304はクロム約18%とニッケル約8%の含有で、最も良く利用されている。
1-2:フェライト系ステンレス鋼
フェライト系ステンレス鋼の最大の特徴は、応力腐食割れを起こしにくいことである。
SUS430はクロム約18%以上で、SUS304に次いで多く使用されている。耐食性、耐熱性に優れており成形加工性も良い。
1-3:マルテンサイト系ステンレス鋼
焼入れ、焼戻し処理をすることで、優れた機械的性質を得ることができ、高強度・高温が要求されるところに使用される。代表的なものにSUS410、SUS420がある。
②銅合金
銅にリンや亜鉛などを添加した合金である。
銅には展延性や電気伝導性などの優れた性質があるが、他の金属を添加することで機械性質を向上させ、様々なものに使用される。
2-1:無酸素銅
99.96%以上の高純度銅のことで、電気や熱の伝導性に優れ、高温で水素気流中にさらされても水素脆化を起こさない。
2-2:タフピッチ銅
0.02~0.05%程度の酸素が含まれ、電気や熱の伝導性に優れているが、高温化で水素にさらされると水素脆化を起こすことがある。
2-3:黄銅
亜鉛との合金で、真鍮とも呼ばれる。
亜鉛の割合で性質が変わるが張強さ・硬さ・延びともに良好で加工しやすく比較的安価なため様々に使用される。身近で言えば5円硬貨などがある。
2-4:青銅
すずとの合金である。ブロンズや砲金とも呼ばれる。
試験には正直な所出る頻度は少ないかと思います。
しかし、ステンレス鋼は身の回りでたくさん使われており、耐食性があることから特に食品系の機械に多様されていますので知っておきたい知識です。