機械3大要素のひとつである「歯車」についてまとめてみました。
①歯車の概要
円筒物の外形に突起(凹凸)を設けて、互いに嚙合わせることで回転を伝えることができるようにした機械要素のことです。
歯数を変更することで増速、減速したり、組合せによって回転方向や回転軸の向きを変えることも可能です。
②歯車の種類(軸の位置関係)
・平行軸歯車:噛み合う歯車対の軸が平行である歯車のこと
平歯車、ラック、内歯車、はすば歯車、やまば歯車がある
・交差軸歯車:噛み合う歯車対の軸が交差する歯車のこと
すぐばかさ歯車、まがりばかさ歯車、はすばかさ歯車がある
・くい違い軸歯車:噛み合う歯車対の軸が平行でも交差でもない(ねじれの位置)である歯車のこと
円筒ウォームギヤ、ねじ歯車、ハイポイドギヤ、フェースギヤがある
③歯車の種類と特徴
・平歯車:歯筋が直線で軸中心に平行な円筒歯車であり最も一般的な歯車のこと。
・はすば歯車:歯筋が巻線状になった円筒歯車。
平歯車に比べてかみ合いが滑らかで振動や騒音が少なく、自動車やバイクのミッションに使用される。
・やまば歯車:一つの円筒歯車の歯筋が左と右の巻線状で構成される歯車。
はすば歯車のデメリットである軸方向のスラスト力が発生せず、風力発電などの大動力の伝達に使用される。
・ラック:噛み合う歯車の一方のピッチ円直径が無限大となり直線となった歯車。
ピニオンの回転運動でラックを直線運動させたり、その逆の運動も可能で搬送装置に使用されることが多い。
・かさ歯車:交差する二軸間の動力を伝える歯車。
歯筋が直線のものをすぐばかさ歯車、歯筋が曲線状になったものをまがりばかさ歯車と呼ぶ。
・ねじ歯車:食い違う軸(ねじれの位置)の二軸間の動力伝達に用いられる歯車。
・ウォームギヤ:ウォームとウォームホイルからなる食い違い軸歯車で、大きな減速比を得ることできるのが最大の特徴である。
摩擦が大きいので、寿命が短くなる傾向にある。
④歯車の基本的な用語と計算式
・モジュール:歯形の大きさを表すのに用いられ、ピッチ円径を歯数で割った値でモジュールが大きいほど歯形は大きくなる。
モジュール(m)=ピッチ円径(d)/歯数(z)
・歯先円直径:外歯車の場合、円筒歯車の外径のこと。
歯先円直径(D)=(歯数(z)+2)×モジュール(m)
・ピッチ円直径:平歯車の場合、ピッチ円径(d)=モジュール(m)×歯数(z)で求めることができます。
はすば歯車の場合はピッチ円径(d)=モジュール(m)×歯数(z)/ねじれ角(β)となります。
歯車の問題も必ず出題されますので要チェックです。