平成のおっさん@エンジニア

平成生まれのおっさんの成長記です。岡山で機械設計やってます。

機械・プラント製図技能士合格への道-6

機械3大要素のひとつである「軸受」についてまとめてみました。

 

①軸受とは

回転運動や往復運動をする軸を支えて、円滑に動作させるための機械要素のこと。

油膜を介して荷重を支持するすべり軸受と玉やコロなどの転動体を介して支持する転がり軸受とがある。

 

②すべり軸受

荷重の負荷能力や耐衝撃性に優れており、潤滑状態が良好であれば半永久的な寿命を持つ。ラジアル荷重を受けるジャーナル軸受とアキシャル荷重を受けるスラスト軸受に分けることができる。

 

③転がり軸受

軌道輪(内輪と外輪)、転動体(玉やコロ)、保持器から構成されており、起動摩擦が小さく、潤滑や保守が容易であり、高温・低温特性が良い。荷重の方向によりラジアル軸受(接触角が0°以上45°以下)とスラスト軸受(接触角が45°以上90°以下)に分けることができる。

 

④転がり軸受の種類

・深溝玉軸受:一般的に広く使用されている軸受で、摩擦トルクが小さいことから高速回転する個所や低騒音、低振動が要求される個所に適している。ラジアル荷重とある程度のアキシャル荷重を受けることができる。

 

・アンギュラ玉軸受:ラジアル荷重と一方向のアキシャル荷重を受けることができる。接触角は15°、25°、30°、40°があり接触角が小さいほど高速回転に適しており、接触角が大きいほどアキシャル荷重の負荷能力が大きくなる。

 

・自動調芯玉軸受:外輪の軌道面が球状になっているので取付け時の軸心が多少傾いていても自動的に芯が調整される軸受。

 

・スラスト玉軸受:アキシャル方向のみを受けることがきる軸受。

 

・円筒コロ軸受:転動体が円筒状のコロを用いた軸受。玉よりもラジアル負荷能力が大きい。

 

・円錐コロ軸受:転動体が円錐状のコロを用いた軸受。ラジアル荷重と一緒に一方向のアキシャル荷重を受けることができる。

 

・針状コロ軸受:コロ軸受よりも直径の小さい針状のコロを用いた軸受。軸受の幅は大きくなるが、外径を小さくすることだできる。

 

・スラストコロ軸受:転動体が円筒状のコロを用いているため、スラスト玉軸受よりも大きな荷重を受けることができる。

 

④転がり軸受の呼び番号

・軸受系列記号:形式記号と寸法記号により表される。例として68は深溝玉軸受、79はアンギュラ玉軸受など

 

・内径番号:内径(軸径)を表す記号で、内径寸法20mm以上500mm未満では内径番号を5倍したものが内径寸法となる。例として6808は内径40mmの深溝玉軸受となる。

 

接触角:アンギュラ玉軸受に対して用いられ、A=30°、B=40°、C=15°と定めれている。

 

・補助記号:保持器記号、シール記号、軌道輪形状、組合せ、等級などからなる。

 

⑤基本事項

・基本定格寿命:同一運転条件で軸受を回転させた時に90%の軸受が疲労による損傷を受けることなく運転できる総回転数または一定回転速度における総運転時間で表したもの。

 

・基本動定格荷重:外輪を固定して内輪を回転させ100万回転の基本定格寿命に耐えるような方向と大きさが変動しない一定の荷重のこと。基本動定格荷重の負荷以内であれば、総回転数100万回転までは90%の確率で軸受は損傷しない。

 

・基本静定格荷重:軸受が静止した状態で外から負荷を受けた場合の永久変形が転動体の直径の1/10^4となる荷重を指す。

 

軸受はこの記事に乗せた以外にも種類もあり、とても奥が深い機械要素です。

試験目線であれば、この程度を網羅していれば点数を取ることができますが、別途記事を起こして軸受について書いてみたいものです。種類に対する問と接触角への問が比較的出題される傾向にあるように感じます。