平成のおっさん@エンジニア

平成生まれのおっさんの成長記です。岡山で機械設計やってます。

機械・プラント製図技能士合格への道-7

今回は残る機械要素について試験に出ることを絞って説明します。

 

①Oリング

Oリングとはつぶし代を与えて使用する断面が円形のリング状の機械要素です。

用途別に運動用(P)固定用(G)真空用(V)などがある。運動用は往復運動のみに使用可能で回転運動には適していないので注意が必要である。高圧で使用する場合はバックアップリングを併用してOリングがスキマへはみ出すことを防ぐ。

Oリングの材質は使用温度や耐薬品性によって各種あるため使い分けが必要になってくる。耐温度に関してはニトリルゴム(1種)<シリコンゴム(4種C)<フッ素ゴム(4種D)の順に高くなる。

 

②スプライン

軸とボスを結合しトルクを伝達する用途に用いられ、軸をスプライン軸、穴をスプライン穴と呼ぶ。スプラインは大きなトルク伝達ができ、軸方向の移動も可能である。

・角形スプライン:歯の両側面が平行で軽荷重用と重荷重用とがあり、歯の数は10の3種類である。

インボリュートスプライン:スプラインの歯の形状がインボリュート曲線になっているもので、精度が良く強度も大きく、軸と穴との間で自動的に中心合わせができる。

圧力角は30°37.5°45°の3種類である。

 

③ピン

二つの部品の位置関係を正確に保持するために用いられる。

 ・平行ピン:鋼製とステンレス製があり、端部の形状、円筒部直径の許容公差および円筒部の表面粗さによって区別されA、B、Cの3種類がある。

A種:端部の一方が平面取り、もう一方が丸面取りで許容公差がm6。

B種:両端共に平面取りで許容公差がh8。

C種:両端共に面取りなしで許容公差がh11。

・テーパーピン:軸とボスなどを結合する場合に用いられ、1:50(1/50)のテーパを持つ。平行ピンより抜けにくく、分解後の再組付けの再現性が高い。

 

④Vベルト

ベルトの断面がV型のもので、VベルトがVプーリの溝にくさびの要領で食い込み、このくさび効果により大きな摩擦力を発生させ平行2軸間で動力を伝達させる。Vベルトの角度は40°で、Vプーリー溝は34°,36°,38°の種類分けられる。Vベルトは曲げられると外側が縮み、内側が膨らむので、溝の角度はVベルトよりも小さい

 

⑤チェーン

スプロケットの歯にチェーンを引っ掛けて動力を伝達する要素で、滑りがなく確実に動力を伝達することができる。

特徴

1:大きな減速比を得ることができる。

2:チェーンの両面が使え、軸間距離の自由度が大きい。

3:ギヤち比較して衝撃吸収能力がある。

4:多角形運動による速度変動がある。

5:潤滑が必要で摩擦による伸びがある。

一般なローラーチェーンは内リンクと外リンクを交互に組み合わせて構成される。ローラーチェーンの総数が奇数となる場合はオフセットリンクを用いる。水平配置の場合は、下をゆるみ側上を張り側にして使用すると振動を抑えることができる。

 

どの要素も概要の説明ですが、太字が良く出題されるのでチェックしておいて下さい。